ベクトルと物理(2)

前回はベクトルの基本的な演算などを解説した。


興味のある読者に向けて、

前回のベクトルの内積について補足的な証明を行おう。

興味がない読者は飛ばしてもらってもよい。


内積の式で次の式があった。

rs = r1・s1 + r2・s2 = | r || s |cosθ                 ・・・・・(6)

ここでθはrsのなす角。


この式を証明する。

図.2 平面座標上でのベクトルrとベクトルs


rに着目してみよう。

図.2のようにrの先端からx軸に垂直におろされる直線を描くと、

これと、x軸、rで囲まれた直角三角形が浮き上がってくる。

この直角三角形の斜辺の長さは| r |であるから、

r1 = | r |cosθr                    ・・・・・(7)

r2 = | r |sinθr                     ・・・・・(8)

と表されることが分かる。同様に、

s1 = | s |cosθs                   ・・・・・(9)

s2 = | s |sinθs                    ・・・・・(10)

となる。


したがって(6)式は、

rs = r1・s1 + r2・s2

       = (| r |cosθr)(| s |cosθs) + (| r |sinθr)(| s |sinθs)

       = | r || s |(cosθr)(cosθs) + | r || s |(sinθr)(sinθs)

       = | r || s |{ (cosθr)(cosθs) + (sinθr)(sinθs) }                ・・・・・(11)


ここで加法定理 cos(α-β) = (sinα)(sinβ) + (cosα)(cosβ) を用いれば(11)式は、            

rs = | r || s |cos(θr - θs)       ・・・・・(12)

ここでθr - θsはrとsのなす角であるので、θr - θs = θ。


したがって、

rs = r1・s1 + r2・s2 = | r || s |cosθ

である。

※cos(-θ) = cosθなので、θrとθsの大小は気にしなくてよい。





(3)へ続く。

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