円周率π
円周率の求め方について考察してみる。
直径1の円を考える。またその内部と外部に円と接するように正六角形(正六角形でなくとも、正n角形なら同じ議論が可能。nは自然数。)を図1のように描いてみよう。
図.1
図.1から円の周の長さは、内接する正六角形の周の長さより大きく、外接する正六角形の周の長さより小さいことが分かる。
つまり、内側と外側の正六角形の周の長さを計算すれば、円の周の長さのおさまる範囲が分かる。また円周の長さは直径を1とすれば、2×π×半径=2×π×1/2=πとなり、これはπの範囲を知ることと同じになる(このために直径を1に設定した)。
内接する正六角形の周の長さ < π < 外接する正六角形の周の長さ ・・・・・ ①
では、実際にこの範囲を求めてみよう。
図.2 図.1を6等分したものの1つ
・円に内接する正六角形の周の長さを求める
円に内接する正六角形の周の長さは図.2のx1はこれの6分の1だから、
円に内接する正六角形の周の長さ = 6 × x1 ・・・・・②
正六角形を6個に分けた1つをさらに図.2のように2つに割ると、直角三角形が2つ出来る。
直角三角形の辺の比から、次式が得られる。
(1/2)・x1 = 半径・sin30℃
= 1/2・1/2
→ x1 = 1/2
よって、②式から円に内接する正六角形の周の長さは、
6 × x1 = 3 ・・・・・ ③
・円に外接する正六角形の周の長さを求める。
図.2から同様に、
円に外接する正六角形の周の長さ = 6 × x2 ・・・・・④
図.2で2つに分けた直角三角形に着目すると、直角三角形の辺の比から、
(x2)/2 = L ・sin30℃ ・・・・・⑤
1/2 = L・cos30℃ ・・・・・⑥
⑥式から、
L = 1/2・1/cos30℃
これを④式に代入すると、
(x2)/2 = 1/2・(1/cos30℃)・sin30℃
= 1/2・tan30℃
→ x2 = tan30℃ = 1/√3 = √3/3
よって、円に外接する正六角形の周の長さは④式から、
6 × x2 = 6 × √3/3 = 2√3 ・・・・・⑦
これで内接する正六角形と外接する正六角形の周の長さが計算できた。
①式に、③式と⑦式の結果をあてはめれば、
3 < π < 2√3 ・・・・・⑧
が得られる。
√3は約1.7なので、⑧の右辺は約3.4である。つまり、確かにπはこの範囲ににおさまることが分かる。
これは実はアルキメデスの方法と呼ばれている(この他にも方法はある)。
このように考えていくと、正n角形のnの数をより大きくすればπの値に近づくことが容易に想像できる。
途中の計算を見れば分かるがこの方法の場合、sinθ、cosθの値が分かればπの範囲を知ることが出来る。
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